若いころ(5歳〜23歳まで)すぐに恋していた。
理由はちょっとかっこいい人から私に優しくしてくれたから、よく遊ぶから…
身近な人からアイドル、俳優、2次元キャラクター、存在しない想像の人まで
今思えば嫌なことする人以外誰でも好きになってしまうという感じだ。
20代後半から私は恋愛をした。リアルな恋愛。
短期間に5人と。付き合って別れてまた付き合って…そうしていくうちにだんだん恋に冷めていった。
そして、まったく恋しなくなった。
性癖詰め込んだ魅力的なキャラクター、生々しく笑ってくれるアイドル、おもしろくてちょっとかっこいい芸人、昔好きだった人達まで全部。何も感じなくなった。
稼いだお金を全部使ってまで追いかけていたものが、人生の時間をすべて費やしていたものが、私を導いていた灯火が、灯台が、今では1人何もない闇の中に置いていかれたように何一つ熱を持たなくなった。
あんなに好きになれたのに
今、付き合っている人は恋というよりも家族に近い。人間関係を続ける上でちょうどいい距離感がある。私は幸福で満たされていた。
私は何もいらなくなったのか?
近くにほどよい量の愛をかけ続けてくれる人がいると欲望がなくなっていくことを実感する。
私はこのままでいいのか?
このままでいたいからこのままでいようとしている。満たされた、もうこのまま人生を終えてもいい、そう思ってしまう。深海の冷めた水が流れ込む大海のど真ん中で呼吸するためだけに浮いている、そんな気分。
今はただ、過去の好きの残飯をちまちま拾っては眺めて、動くか転がしてみて、結局どうにもならなくて、この好きはもう食えないと確認する。そんな作業を繰り返している。
子供ができれば変わるのだろうか?
あの恋の気持ちは年齢的なもので、20代後半から次第に子供への愛情に変わっていくのだろうか?
起きて、仕事して、買い物をして、動画を見て、料理して、2人で喋って、風呂に入って、洗濯して、SNSを見て、寝る。ずっとこの繰り返し。
求めていた幸せは平凡だった。
変わってしまったんだ。私。
上を見ずに横や下を見ている今の自分を蔑んでしまう。こんな大人を目指していたんだっけ?って。
でももう何もいらない。今はもう何も考えたくない。受け止めるだけがいい。今は次の熱までの待機期間。うんと溜め込んで溜め込んで溜め込んでふとしたきっかけで爆発する。そのために今は目の前を通る情報を回収できるだけ回収しようと思う。